とらとら日記

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2007年 06月 13日

「オタクのための格闘術」感想文

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この本読んでも格闘術は身につかない。
「格闘術」のやり方身に付け方を書いてないから。
せいぜい拳の握り方ぐらいで、他の技は概要の説明ぐらいしかないので。
あとどこをとっても中途半端。わざと「浅く」してあるのかもしれないけど、そういう意図なら浅くしすぎて失敗してる。



唐突だけど、最近読んだ田中義剛のコラムがすごく面白かった。
http://www.ypp.co.jp/hanabatake/tsushin.php
違いは何だろうなと考えたけどすぐわかった。
田中義剛は全部自分の経験を基に自分の言葉で書いているのに対して、この本の
内容はほとんど借りものの話をオタク向けに手を入れているだけだからだと。
思うに題名ありきの企画だったんじゃないかな?それでテーマもポリシーも絞らず
(急いで?)書き上げた本という印象。
この本を読んだオタクに何ができるか、どうなって欲しいか、どうなれるのか、
ちゃんと固められてないんで。

明言はされてないけど、作者に打撃系格闘技の経験はなさそうなのもマイナス。
そっち方面はかなり記述が甘い。参考文献の記述を引っ張ってきて、著者の想像を
加えてみたという感じ。対人稽古を前提としないのにコンビネーションの話なんて身に
つかないから意味ないし、挙げている技も多すぎて覚えられる訳がない、等々目につく。
更に格闘技の試合をする人と護身として最低限の格闘術を身につけようと思う人を
明確に区別できてないから、結果としてどっちの層にも役に立たない情報の羅列に
なってしまったなと思う。
--
あと、物を握りこむとパンチ力が上がるのはそうだろうけど、拳が丈夫になってケガ
しにくくなるってのはマジ?
そこんとこ考察したことないけど、威力だけ上がって拳の硬さは変わらないから痛め
やすくなるんじゃないのかと思ってるんだけどどうなのかな?
--
あと、体力のないオタクが一番懸念しなきゃいけない「体格差」についての考察が一切
なくて、勿論格闘技経験者に対する心得もないのは痛い。
特に体格差についてはこの本の趣旨を考えると絶対に外せない話だと思うんだけどなぁ。

また、気になるのはオタク特有の「他者を見下す」視点の話が多くてあまり愉快に読み
進められないこと。
この本ではちょこっと格闘技をかじればヤンキーもチーマー(笑)もお笑い芸人も・・・
一対一じゃみんな雑魚と化す。
そりゃストーリーとしての演出も必要なんだろうけど、こんなオタク至上主義物語で
読者は喜ぶものなの?

あと後半はやたらと禁じ手を推奨するところが多いけど(正確には推奨はしてないん
だけど、そう書きながらやたらと禁じ手使用の記述がある)、これはどうかと思う。
相手は殴り合いのつもりだったのに、潰し合い、壊し合いに自らハードルを上げること
になるんじゃないのと。(俺ならそう判断するよ・・・)
禁じ手を使うのは護身だと言ってナイフを出すのに等しい行為だから、最後の最後に
使う手段だと念を押すべきだと思う。

つかこの手の本なら最低限必要なことだけど、著者は自分で書いたことを自分で実践・
検証してるんだろうか。多分ほとんど試してすらないんじゃないかと。
シューティングで鍛えた集中力が対人で役に立つかどうか、思いつきだけじゃなくて
何かやってみたのかなぁと。ほとんど全編にわたってこの疑問は感じる。

批判ばかり書いたけど、最後のほうのストーリーではいいこと書いてる。
本当の暴力は誰も受け入れはしないという話だけど、ここんとこ念を押しておくのは
大事だと思う。


結論。ホーリーランドを読んだほうがまだマシ。
まぁ誰が読んでも同じ結論が出ると思うけど(^^;
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by sin_z | 2007-06-13 00:07 | 格闘技


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